チェコの都市というと、首都のプラハ以外あんまり思いつかないですよね。
今回ご紹介するのは地方都市の『プルゼニ』。聞いたことありますか?チェコ第4の都市といわれています。
ドイツ語名は『ピルゼン』。工業財閥『シュコダ』の本拠地としてチェコ随一の工業都市であったプルゼニは、醸造業でも栄える街でした。

プルゼニのみどころはなんといっても『ピルスナーウルケル醸造所』
『醸造所』・・・ 魅力的なワードが出てきましたよ・・・!
ピルスナーはビールの種類の一つ。我々日本人と馴染み深い金色のビールのことです。
何も知らずに飲んでいましたが、あれピルスナービールって種類なんですね。

ピルスナーウルケル醸造所の門
ビールの歴史は紀元前5千年にも遡ると言われていますが、我々の知っている金色のビールができたのは実は19世紀中頃。それまでは黒や茶色などの濃い色のビールしかありませんでした。
19世紀当時、プルゼニでは町人が誰でもビールを製造・販売することができましたが、その質の悪さに町会議員がブチギレ。ちゃんとした醸造所を建設することが町議会で決定され、ビールの本場ドイツから醸造家を招致しました。
1842年、この醸造所での最初のビールが完成しましたが、樽から出てきたものはドイツビールのそれとは全く違うものでした。
なんと、輝く黄金色ではないか!

ドイツは硬水でビールが作られるのに対し、プルゼニの水がたまたま軟水であったことから、黄金のビールが誕生しました。プルゼニ(ピルゼン)で作られた黄金のビール『ピルスナー』は世界中を席巻しました。偶然の失敗が、ビールの歴史を大きく変えたのです。

で、ピルスナーウルケル醸造所がまさにその場所だったってワケです。
ビールの本場はドイツといいますが、我々の祖はチェコだったんですねェ・・・。
さて、ピルスナーウルケル醸造所では現在もビール製造が続けられており、工場見学ツアーが行われています。
ピルスナービールの歴史を学び、ピルスナーウルケルの製造レーンを見たあとは、
巨大な地下セラーに保管されるビール樽から無濾過のピルスナービールを試飲することができます。

ビール一筋の方も、とりあえず生!の方も、ぜひ一度元祖を味わってみてはいかがでしょうか。
(ちなみに現在ピルスナーウルケルは、アサヒビールの傘下になっています。)