©Newsweek Polska
ポーランドの都市部に点在する、昔ながらのセルフサービス方式の大衆食堂「バル・ムレチュニィ(bar mleczny)」。あえて意訳すれば「牛乳の軽食屋」となりますが、店内で提供しているのはいたって普通の素朴なポーランド家庭料理。なんでも19世紀末のワルシャワでこの様式の飲食店を初めて開いたのが酪農家で、乳製品を使った料理を中心に提供していたことにちなんでいるとか。
社会主義体制下で国営となることで全盛期を迎え、昼休みや夕食時になると近隣の労働者や学生が安く・早く・腹持ちのいい食事を求めて賑わったとのこと。体制転換後の民営化のあおりや店主の高齢化を受けて閉店するところは少なくないものの、低所得者や年金生活者のために国や自治体から補助を受けて現在も低価格を維持しています。
ちなみに代表的なメニューは各種スープ、大麦や蕎麦のお粥、オムレツ、ポテトパンケーキ、ロールキャベツ、ピエロギ(ポーランド風茹で餃子)、豚ロースのカツレツなど。
©Anna Liminowicz / The New York Times
客層は超ローカルなので壁に掛けられたメニュー表はポーランド語表記のみというところがほとんどですが、スマートフォンのカメラをかざしてリアルタイム翻訳したうえで何を食べるか選んで、レジで筆談注文&前払いして伝票をもらい、調理窓口に伝票を出して料理を受け取る、という流れをこなせれば自力でもポーランド式ファストフードにありつけるはずです。ただし、店員のご婦人方は高確率でノースマイルですし、地元民にとっては立ち食いそば屋や牛丼屋のような存在。あまりにもたつくのはご法度。混雑するランチ時間帯は避けるか、ガイドを付けて代わりに頼んでもらうか、外国人観光客も入りやすい店舗(英語メニューがある場合も)に行きましょう。
飾り気のないレトロな内装に囲まれながら、現地人に混じって彼らの暮らしに溶け込む。そんな旅行体験に食指が動く方にはおすすめです。
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