謎のベールに包まれた中央アジアのトルクメニスタン。
大理石建造物の多さが世界一である首都のアシガバードは「愛の町」という意味です。
現地でも最も有名な詩人マグトゥムグリも愛について多くの詩を残しています。
「一人好きな人ができたら、結ばれなくても、その思い出だけで生涯生きていける」
現地の人の間でもこのような考え方が浸透しているそうです。
(とても情熱的ですが…個人的にはちょっと切なさも感じてしまいます)
さて、そんなトルクメニスタンの結婚式はどのようなものでしょうか。
以前は親同士が結婚相手を決めていましたが…
今は10代の間に結婚相手を自分で見つける人が大半なようです。
結婚適齢期はかなり早く、マグトゥムグリの教えの影響もあるかもしれません。
一生一人の人だけを愛し、その人と最後まで添え遂げることが…
何よりも幸せなことであると、多くの国民がそう信じているそうです。
花婿は親戚などを総動員して40台の車で花嫁を迎えに行きます。
昔は40頭の馬だったようですが、時代の流れで車に変わりました。
花婿の車はかなり派手に装飾されています。
花嫁側が持参するドレスや装飾品は全て手作りします。
結婚式に限らず、ドレスは自分で手作りするのが一般的です。
そのため、ドレスを縫えないような女性は結婚することが難しいとされています。
花嫁は日本の婚礼で使う綿帽子を大きく派手にしたようなもので姿を隠します。
これがなかなか大変なもので…
花嫁は40日間ずっと60kgもの重い銀の装飾品を全身につけていなくてはなりません。
人間を一人ずっと背負って1か月以上過ごすようなもので…考えただけでも過酷です。
どのような状況でも強い女性を表現するための習慣のようです。
結婚式の当日、いよいよ迎えに来た花婿に連れ出されます。
この困難から解放されると思うと…花婿が白馬の王子に見えるかもしれません。
(二人の愛をより強固にしてくれる仕掛けかもしれない…と個人的には思います)
なお、お祭りなどで女性が頭に被る装飾品は、未婚者と既婚者では明らかに違うため…
未婚の女性は一目見れば分かるそうです。
お気付きでしょうか?
「40台の車」「40頭の馬」「40日間」…40という数字がたびたび現れます。
ただ、特に意味があるわけではなく、昔から決まっているようです。
元々は何かの意味があったのかもしれませんね。
残念ながら(?)現代ではこのような伝統的なスタイルよりも…
ウェディングドレスを着るようなヨーロッパスタイルのほうが主流とのことです。
花婿は40台の車を集めなければならず、花嫁は40日間耐え続けなければならない…
確かにスタイルがカジュアルになってくるのは分かる気がします。
しかし、今でも伝統的な結婚式をするカップルも多いです。
日本では想像もつかないことが、まだまだたくさんあるトルクメニスタン。
現地で違った文化を体感してみませんか。
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