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    中欧 プラハのもうひとつの城 2023-04-03


    ©Vyšehrad National Cultural Monument

    チェコ共和国の首都プラハといえば、かつて中欧を支配した諸帝国の一大都市として発展した美しい街並みが人気の観光地。ヴィート大聖堂やカレル橋、旧市庁舎などを見物して回るのが王道ルートとなっていますが、穴場がお好きな方は新市街の南端にあるヴィシェフラドまでちょっと足を伸ばしてみるのはいかがでしょうか?

    建国伝説において後世のプラハの繁栄を予言した王妃リブシェが居住していた土地とされるヴィシェフラド。この地名はチェコ語で「高い城」を意味し、小高い丘の頂上に立っている聖ペテロ聖パウロ教会の黒い二本の塔が目印です。10世紀後半に要塞として築かれ始め、ボヘミア王国の玉座が置かれたこともある城そのものは戦乱で失われてしまっており、現在は「リブシェの沐浴場」と呼ばれる稜堡跡などの城壁の一部だけがその姿を残しています。

    たえず観光客であふれかえるプラハ城の喧騒とはうってかわって、ヴィシェフラドでは時間がゆったりと流れています。同地区には民族墓地もあり、チェコを代表する多くの著名人たち――作曲家ドヴォルザークやスメタナ、作家カレル・チャペック、画家アルフォンス・ミュシャ――とそうそうたる面々が埋葬されています。

    頂上へ向かう坂道の途中にひっそりとたたずむ「聖マルティンのロタンダ」はプラハ市内に現存する最古のロタンダ(円形建築物)で、11世紀後半に造られ19世紀末にロマネスク様式による大規模改修を経たもの。

    ©Vyšehrad National Cultural Monument

    教会と墓地を囲むように広がる緑豊かな公園はプラハ市民の憩いの場となっていて、皆が思い思いに余暇を過ごしています。そしてなんといってもヴルダヴァ川に張り出した断崖から広がるパノラマが素晴らしく、夕景や夜景を目当てに遅い時間に訪れてみるのもいいでしょう。展望台から右手(北の方角)を見ればアーチが印象的な鉄道橋、はるか遠くにプラハ城と城下町を望むことができます。


    ヴィシェフラドへは路面電車のほか、徒歩10分の最寄り駅までは地下鉄でアクセス可能(ちなみに旧型券売機での切符購入は若干難易度高め)ですが、カレル橋からヴルダヴァ川右岸沿いに3kmほど散策すれば新市街に点在する近現代建築も同時に楽しめておすすめです。