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    中欧 ロボットの起源、プラハのゴーレム伝説 2025-01-17


    土や岩でできた巨人、意思を持たぬ愚鈍な泥人形、ゴーレム
    ファンタジーが好きな方はに結構身近な言葉ですよね。
    中盤あたりで出てくる体力多めなあいつです。


    もともとゴーレムは、ユダヤ教の民間伝承に登場する生き物(生き物・・・?)
    チェコの首都プラハには、そんなゴーレムの有名な伝説があります。




    16
    世紀後半、ユダヤ教の指導者ラビ・レーヴが、プラハのユダヤ人ゲットーを弾圧から守るため、土からゴーレムを作りだしました。粘土でできた人形の口に、神の名を記した羊皮紙を入れるとゴーレムは動き出し、ラビ・レーヴの命令に従って働きました。毎週金曜日の夜になると、ラビ・レーヴはゴーレムの口から羊皮紙を取り出して、土曜日の安息日(ユダヤ教で労働が禁止されている日)には動かないようにしていました。

    しかしある日の金曜日、ラビ・レーヴはゴーレムの口から羊皮紙を抜き取るのを忘れてしまいます。
    意図せず安息日に起動してしまったゴーレム。遂行するべき命令もなく、労働が禁止された日に起動していることでパニック状態となり、プラハの街で大暴れ。やっとの思いでラビ・レーヴがゴーレムの口から羊皮紙を抜き出すと、粉々に砕け散ってしまいます。ラビ・レーヴは、いつかまたゴーレムを起動するために、粉々になった土を集めて、プラハにある現『新旧シナゴーグ』の屋根裏部屋に隠しました・・・。


    というのがプラハのゴーレム伝説。
    なんだかアイザック・アシモフのロボット短編作品に出てきそうな話ですね。

    それもそのはず、『ロボット』という概念は、このゴーレム伝説をもとに誕生したからです。


    1920
    年、チェコの小説家 カレル・チャペックが、このゴーレム伝説などから着想を得て、戯曲『R.U.R. (ロッサム万能ロボット会社)』を制作。初めてこの世に『ロボット』という言葉が誕生します。
    ロボットは、スラヴ諸語で労働や隷属を意味する言葉からの造語でした。

    『R.U.R.』の中では、ロボットたちの人間に対する反乱が描かれ、多くのSF作品の祖となっています。

    中世の伝説がSF作品に生まれ変わり、『ロボット』という新たな言葉が世に浸透する。
    なかなかロマンのある話ですね。

    さて、そんなチェコのプラハではゴーレム伝説が皆から愛されています。
    ゴーレムの名を冠したカフェやレストラン、会社まであり、プラハのお土産屋さんにはゴーレムのマスコット人形なんかも売られています。
    プラハの思い出に、ゴーレムはおひとついかがでしょうか。