2026年1月1日より、ブルガリアがユーロを導入予定だそうです。
2023年のクロアチアに続いて、バルカン半島からまた一つ通貨がなくなってしまいますよ!!
ということで今回はブルガリアのお金、レフの紙幣をご紹介します。
まずレフという単位ですが、意味は『ライオン』です。ブルガリアでライオンは権力を象徴しており、国・国王のシンボルとして使われてきました。それがそのまま通貨になっちゃったんですね。
それではレフ紙幣に描かれる人物を見ていきましょう。

2レフ:ヒレンダルのパイシウス(1722-1773)
ブルガリアの聖職者であり、歴史家です。
ブルガリア内にギリシアの影響力が強まっていること憂いたパイシウスは、『スラヴ・ブルガリア年代記』を執筆。ブルガリアの民族意識の向上に貢献しました。

10レフ: ペタル=ベロン (1799-1871)
『近代ブルガリアの父』と言われる、教育者・医師・作家・科学者。
開業医として働いた後、貿易商として企業、財を成した後に科学者として数多くの著書を残しました。すごいキャリアですね。

20レフ:ステファン・スタンボロフ (1854-1895)
ブルガリア第9代首相。彼もまた近代ブルガリアの創設者の一人として数えられ、『ブルガリアのビスマルク』と呼ばれます。オスマン帝国からの独立という難しい時期に首相を努めましたが、最後は首都で暗殺されてしまいます。

50レフ:ペンチョ・スラヴェイコフ (1866-1912)
詩人、ブルガリア国立図書館の館長、国立劇場の監督。
雪の降る屋外で眠り込んでしまい肺炎になり、治療のためにヨーロッパ中を回りました。
重い後遺症が残り人生に絶望するも、文学に救いを見出し、自らも創作活動に勤しみました。

100レフ:アレコ・コンスタンチノフ(1863-1897)
小説家・旅行家。
代表作は、ブルガリアの誰もが知っている風刺小説『バイ・ガニョ(ガニョおじさん)』。
典型的なブルガリア人のガニョおじさんが、ヨーロッパ旅行をするという物語の中で、西欧とブルガリアの比較を風刺的に行いました。
また彼の西欧・米国への旅行記は、オスマン帝国支配から脱却したばかりのブルガリア国民に、先進国の様子を垣間見せる画期的な記録となったそうです。
以上、レフ紙幣のご紹介でした。
自国通貨がなくなること、ユーロ転換への混乱に乗じた値上げなどの警戒から、ユーロ導入に反対する人も多くいるそうです。レフがなくなるのは寂しいですが、ユーロ導入でブルガリアの人々がより豊かになれば良いですね。