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    コーカサス アルメニアの水掛け祭り 2023-06-15


    ©Yerevan.Today

    黒海とカスピ海の間にあるコーカサス三国。そのうち唯一の内陸国であるアルメニアは西暦301年に世界で初めてキリスト教を国教に定めた歴史を持ち、1,000m以上の標高が90%を占める国土の各地から湧き出る天然水を人々は誇りにしています。

    そんなアルメニアの街のあちこちが1年に1回、水浸しになるのが「ヴァルダヴァル(Վարդավառ)」の日。復活祭(太陰暦に基づくため毎年移動する)から数えて98日後の日曜日に祝われる祭日で、真夏に差し掛かる6月28日から8月1日までの間のいずれかの日曜日に当たります(2023年は7月16日)。アルメニア正教会の祝日としても公式に採用され、ノアの方舟になぞらえてハトを放つなどの儀式を行いますが、一説ではキリスト教の伝来以前に信仰されていた豊穣・恋愛・水を司る女神アストヒクに起源を求められるそう。

    さて、なぜ水浸しになるのかというと、健康と幸運を祈って人々が互いに水を掛け合うため。通行人はだれでも水掛けの対象とあって子供や若者がバケツや水鉄砲を片手に待ち構えていて、この日に街を出歩けば年齢や社会的地位にかかわらず、たとえ外国人旅行客であろうと容赦なくずぶ濡れにされてしまいます。首都のエレヴァン市内(7月の平均最高気温35℃)だと共和国広場やディアナ・アブガル記念公園の噴水周辺、自由広場近くの人工池Swan Lakeが激戦地と化します。バルコニーから下の通行人を狙って放水してきたり、走行中の車から狙撃してきたりする強者もいるので、水場から離れているからといって油断は禁物。この日にアルメニアを旅行する場合には、携帯電話や財布など濡れて困るものは防水のジッパー袋等に入れてあらかじめ守っておくのが賢明です。