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    中欧 温泉大国ハンガリー 2023-02-10


    ©Visit Hungary

    東京23区と同程度の人口を有する、中央ヨーロッパの内陸国ハンガリー。

    主要民族であるマジャル人はウラル山脈から集団で移動してきて9世紀末に定住したアジア系民族を祖先に持ち、人名表記が日本と同じく姓・名の順番であるなど、言語的には周辺のヨーロッパ諸国とは異なる独自性を保っています。

    ハンガリーの国土の大きさは日本の4分の1ほどですが 、国内に1,300~1,500の源泉が湧いているとされます。ただし、日本で主流の火山性温泉とは違い、地熱で温められた地下水を汲み上げているため湯温はぬるめなのが特徴です。


    ©濱愛子 / 駐日ハンガリー大使館

    ハンガリーにおける温泉の歴史はかなり古く、古代ローマのパンノニア属州として治められていた時代にまで遡ることができます。ブダペスト北東部には2世紀ごろに兵士や民間人が利用していたとみられる公衆浴場の遺構が残っています(アクインクム博物館)。その後はリスト教会が風紀の乱れを問題視したことやモンゴル帝国の侵略による荒廃が相まって、温浴文化は一旦下火になります。中世に入ると温泉の効能が再発見され、16世紀半ばから150年間以上続いたオスマン帝国の支配下ではハマム(中東式の公衆浴場)が栄えました。19~20世紀には急速な経済発展を受け、装飾を凝らしまるで宮殿と見紛うような温泉施設がブダペスト中心部に建設されました。

    1934年に国際温泉会議から「温泉都市」の称号を与えられたほど、ブダペスト市内には地下熱水系が集中しています。南北を流れるドナウ川の両岸(右岸のブダと左岸のペスト)に、現在も大小50箇所以上の公衆温泉浴場が営業中とのこと。観光地として代表的な「セーチェーニ温泉」はヨーロッパ最大規模の複合温泉施設で、市民公園内に1913年に開業したもの。ネオバロック&ネオルネッサンス様式の豪華な建物はもとより、チェスを打ちながら長湯をする入浴客の姿は世界的にも有名です。


    ©Municipality of Hévíz

    大自然の中で癒やされたい派の人には、ブダペストから南西へ車で3時間弱の「ヘーヴィーズ湖」がおすすめです。ハンガリー人が「ハンガリーの海」と呼ぶ中欧最大の湖・バラトン湖からも程近く、入浴可能な湖としては世界最大(東京ドームとほぼ同じ面積!)の天然温泉湖です。最大水深約38mの湖底から湧き出す豊富な湯量で湖水が3日ごとに完全に入れ替わるのだとか。夏から秋にかけてはインドから持ち込まれた熱帯アカバナスイレンのピンク色の花が湖面を彩って、目にも楽しい温泉になります。

    一部の施設を除いて水着を着用して入浴するので、ご旅行の際は水着を持参するのをお忘れなく!