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コーカサス
神秘の国 アルメニア 2024-12-13
アルメニアは、中東とヨーロッパ、中央アジアが交錯する、コーカサス地方にある内陸国です。
かのローマ帝国に先んじて、世界で最初にキリスト教を国教としたのも、実はこのアルメニア。過去には交易路として繁栄した一方で、周囲を大国に囲まれ翻弄されてきた歴史もあります。 日本ではまだまだマイナーで情報が少ない国ですが、その謎めいたところも魅力の一つ。
今回はそんなアルメニアの魅力の一部をご紹介します。
アルメニアには教会・修道院がたくさん!
アルメニアは世界で最初にキリスト教を国教とした国。小さな国土の中に、歴史ある修道院や教会がたくさんあります。
・ハフパト修道院(世界遺産)
アルメニア北部の高台にある玄武岩で作られた教会です。10世紀~13世紀ごろにかけて建設され、他国からの攻撃や、地震を耐え抜き、現在に至るまで建設当時の姿を残しています。修道院の敷地には、『ハチュカル』と呼ばれる、十字架の石碑がたくさんあります。
ハチュカルは古い教会や墓地などにある、アルメニアの宗教文化を象徴する石碑です。作られた時代が進むにつれて、デザインや技巧が発展していく様子をうかがうことができます。
・ゲガルド修道院(世界遺産)
首都エレバンから東に30kmほどの峡谷の中にある修道院。13世紀ごろに、岩を切り崩して造られた修道院です。岩でできた重厚な教会内に、くりぬかれた窓から自然光が差し込む様子は神秘そのもの。まるでトールキンの指輪物語の世界をそのまま現実に持ってきたかのようです。
そのほかにも、アララト山を望むホル・ヴィラップ修道院や、世界一長いロープウェイで行く崖の上のタテヴ修道院、森の中に静かにたたずむハガルツィン修道院、などなど。
アルメニア教会の独特な建築様式と自然との調和が、神聖さを一層引き立たせます。
アルメニアには伝説もたくさん!
最初のキリスト教国というだけあり、聖書にちなんだ伝説にも事欠きません。
・アララト山とノアの方舟の伝説
『ノアの方舟』は旧約聖書に出てくる物語です。
人間の堕落を憂いた神が、地上のすべてを洪水で滅ぼすことを決意します。神を信じる人間のノアに警告をし、方舟を作るよう命じます。大洪水により地上が洗い流される中、方舟に乗ったノアの家族と動物たちだけが生き延びます。
そして洪水がおさまり、ノアの船が漂着した場所が、アルメニア人の精神的象徴であるアララト山(現トルコ領)と言われています。
首都エレバンから西に30kmほどの距離ににある、エチミアジン大聖堂には宝物館が併設されており、そこにはなんと『ノアの箱舟の欠片』とされるものが保管されています。
・ロンギヌスの槍の伝説
イエス・キリストが磔刑に処された際、死を確かめるために彼の胸に刺した槍である『ロンギヌスの槍』の一部がアルメニアのとある修道院から見つかりました。(こちらもエチミアジン大聖堂の宝物館に保管されています。)
『槍』が見つかったことから、この修道院には、『槍』の意である『ゲガルド』の名がつけられました。そう、先ほどご紹介した岩をくりぬいた修道院です。
ちなみに、ロンギヌスの槍とされる遺物は世界に3つ存在しており、アルメニアのほか、ローマのサンピエトロ寺院、ウィーンのホーフブルグ宮殿に保管されているそうです。(結構たくさんあるんですね。)
・エデンの園はアルメニアにあった?
エデンの園は、旧約聖書に登場する最初の人間アダムとイヴが暮らしていた楽園です。アダムとイヴは蛇にそそのかされ、神に禁じられていたにもかかわらず『善悪の知識の実』を食べてしまい、楽園から追放されます。
旧約聖書に『エデンの園からチグリス川・ユーフラテス川が流れ出る』と記されていることから、エデンの園がその2本の川の上流であるアルメニアにあったのではないか、という説があります。
アララト山をはじめ、コーカサスの自然の神秘的な様子が、昔の人々の想像を搔き立て、伝説や物語が生まれたのかもしれませんね。
岩を削って作られた教会や石板の十字架など、アルメニアの文化は、西ヨーロッパのキリスト教文化の煌びやかさとは違い、まるで古代神話の世界を彷彿とさせます。
神秘あふれるアルメニアの世界にぜひ飛び込んでみてはいかがでしょうか?
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